中高生 問題投稿898件…島根でネット巡回

インターネット上でのいじめや犯罪から生徒らを守ろうと、島根県教委は7月から「ネットパトロール」を実施している。

 その結果、7、8月の2か月間に、個人が特定できる情報の流出や飲酒が疑われる写真など、中高生の問題投稿が計898件あったことが分かった。一方、スマートフォン向け無料通話アプリで、特定のグループが書き込みできる「LINE(ライン)」はチェックできず、県教委は「監視よりもモラル教育が重要」としている。

 パトロールは、県内の公立小学校と中学、高校、特別支援学校の計372校を対象に、東京都内の業者に委託して実施。当面の期限は来年3月までで、費用は500万円。

 小学校分はまだ結果がまとまっておらず、特別支援学校では問題投稿は確認できなかった。

 中高生の問題投稿の内訳は、個人情報の流出が874件で最多。誹謗ひぼう・中傷は6件あったが、明らかにいじめと断定できず、学校側が注視を続けている。高校生が自傷行為を書き込んだブログも1件あり、学校側が生徒から事情を聞くなどの対応をとった。

 冷凍ケース内に寝そべるなど「悪ふざけ」の写真投稿が社会問題化する中、飲酒を疑わせる写真を投稿するなど、不良・不適切行為は17件。県教委は「投稿の中には、常識では考えられない行為もある。社会問題だという意識をもつことが必要」とする。

 一方、7月の県教育委員会議では、委員から「今、子どもが主に使うのは、掲示板ではなく、ライン」との指摘もあった。実際、898件のうち、掲示板の利用は2件にとどまり、ツイッターやフェイスブックなどが計772件と目立った。非公開に設定できるサイトやラインは監視できないのが現状だ。

 県教委は「そもそも学校内では携帯やスマホは使用禁止。学校側がラインを禁止することは難しい」として、家庭での指導徹底を呼びかける。

 県教委子ども安全支援室の村穂淳指導主事は「ラインを取り締まっても根本的な解決にならない。パトロールを通して実態を把握し、子どもに正しい判断力を着けさせることが大事」と訴えている。