贖罪 読売新聞社会部

(1) 本の内容の紹介
人はどう罪と向き合い、人は刑罰で変われるのか。罪と罰の真実。

(2) 本の内容に対する評価や感想・批評
メディアの役割は公権力の監視という意味で、賞賛できる本。
様々な罪についての受刑者が書かれていたが、複数犯の場合、スタンフォード監獄実験によって証明されている通り、
集団心理というものとその役割によって行動が変化することがわかっている。
刑務官の受刑者は楽な方に逃げる生き方をしてきた。
性犯罪者が本人もついやってしまうというところ、これに関しては脳の前頭葉の機能など、脳に欠陥があるのではないだろうか。
更生プロフラムについて、自分が犯罪を犯してしまう際のトリガーを認識して、とあったが
トリガーを認識して、それで抑えられる人間ならそもそも犯罪者になっていない。
海外の部分で少し記述があったが、薬を処方するなどした方が効果があるだろう。
ブラシーボであってもそもそも意志力がなく、自身の衝動が抑えられないのであるから。
読んでて感じたのは、犯罪者としての自分を受け入れた場合再犯率が高くなるということ。 悪い仲間とつるむというのが例として挙げられていたが。一方でつるむ相手がいなく、社会に居場所が なく、会社や社会に温情でおいてもらっていると考えている場合、(性犯罪を除く)再犯率が下がるようだ。 犯罪者情報の公開が非常に効果があると。

車輪の下 ヘルマン・ヘッセ

(1) 本の内容の紹介
ドイツの片田舎で神童と言われ育った主人公ハンスは全国のエリートの集まる神学校への合格を二番という席次で掴み、周囲の期待を背負い進学する。その中で多くの挫折を味わい、神経症を患い退学し敗北感とともに帰郷する。しかし、故郷に彼を理解しようとする者はおらず、機械工として働き始めた矢先彼は酒のために誤って河に落ちてしまい、あっけなくこの世を去るーー

(2) 本の内容に対する評価や感想・批評
働きアリの法則というのがある
http://www.entrepreneur-ac.jp/report/bando/ants20121004.html
優秀な人物ばかりを集めても、その学習レベルに差が生まれる。
逆に駄目な人物ばかり集めても、できる人物が現れる。
学校というせまい世界では、その世界から外れることはつらいことかもしれないが
次の世界でトップを目指せばいい、たとえ冷たい目や嘲笑にさらされたとしても。

美人の正体 越智啓太

基本的には多くの顔を重ね合せた平均顔仮説が、美人やハンサムを説明するためには重要。
肌のすべすべ感は平均化に匹敵する。
平均化に加えて目が大きく、顔の下半分が小さいという幼型化という条件が、とくに女性の外見的魅力を向上させるためには重要。
女性が若いことが重要な意味を持っているから。
やりにげの問題、経済的な先行投資を要求

死に至る病 キルケゴール

(1) 本の内容の紹介

(2) 本の内容に対する評価や感想・批評
死に至る病とはすなわち絶望である。
エヴァンゲリオンのタイトルにもなっていたが。
キルケゴールのいう意味とは違うが、絶望が死に至る病であるというのは納得ができる。
真理のように感じる。
自分が何をやっても何も変わらない、自分のすること、そして、自分には価値がないと思うこと
それは間違いなく自殺にいたる動機である。

ただ、病といっているように何も変わらないと思っている状況でも視点を変えれば、方法を変えれば
、価値観を変えれば、ほとんどの場合何かできることがあるはずである。
絶望した時は自分の価値観、考え方を疑ってみよう。

蒲団 田山花袋

(1) 本の内容の紹介
『蒲団』(ふとん)は、田山花袋の中編小説。「新小説」1907年9月号に掲載され、のち易風社から刊行された『花袋集』に収録された。

概要
花袋に師事していた弟子の岡田美知代とのかかわりをもとに描いた小説。日本における自然主義文学、また私小説の出発点に位置する作品で、末尾において主人公が女弟子の使っていた蒲団の匂いをかぐ場面など、性を露悪的にまで描き出した内容が当時の文壇とジャーナリズムに大きな反響を巻き起こした。

自分のことを暴露する小説としては、これより先に森鴎外の「舞姫」があったが、下層のドイツ人女性との恋愛の末妊娠させて捨てるという内容であり、女弟子に片想いをし、性欲の悶えを描くという花袋の手法ほどの衝撃は与えなかった。小栗風葉は「中年の恋」という主題にのみ着目して、「蒲団」に続いて「恋ざめ」を書いたが、自然主義陣営の仲間入りはできなかった。以後3年ほど、花袋は文壇に君臨したが、一般読者にはあまり受けなかった。

(2) 本の内容に対する評価や感想・批評
これが評価されるのか、いまだったら裁判ものである。

論理の方法 小室直樹

(1) 本の内容の紹介
ホッブス(1588-1679) イングランド 万人の万人による闘争→公権力の大切さ
ロック(1632-1704) イングランド 人間知性論 統治二論 政治権力の起源を王権神授ではなく社会契約にある
ルソー(1712-1778) フランス 社会契約論
アダム・スミス(1723-1790) イングランド 国富論 重商主義の批判 神の見えざる手
ベンサム(1748-1832) イギリス 功利主義 最大多数の最大幸福

ロック 資本主義 労働によって得たものは所有権をもつ
リカドー(1772-1823) イギリス 比較優位、差額地代、労働価値

セイの法則 供給された者は全部需要される→有効需要の原理
ケインズ(1883-1946)イギリス
流動性の罠 利子率がゼロ近くまで下落すると投機的需要が無限に大きくなる

法則がある(モデル)それを理解せずにルールを変えても混乱に陥る

(2) 本の内容に対する評価や感想・批評
非常に読みやすい。前半の経済の話と織田信長の価値観を変える話の話は知っておく必要がある。

高校入試 湊かなえ

(1) 本の内容の紹介
名門校の入試日。試験内容がウェブ掲示板で実況中継されていく。遅れる学校側の対応、保護者の糾弾、受験生たちの疑心。わずか数時間で悪意が撒き散らされていく。

(2) 本の内容に対する評価や感想・批評
生徒と付き合ってた先生については異動で済ます。
高校入試の合格請求の不備
自分の点数がわかっても、他者と比べられなければ合格かどうかわからない。
ネットの書き込みについて、名前を明かすというリスクを冒さずに意見を言ったところで。
と言っているが、実際はネットの書き込みでも十分な影響力がある。

偏差値の問題。
作中で教師と校長は「では、ランクの低い高校に通うものはがんばっていない、と?」
「それもまた、極論だ。人間にはもともと能力の差があることを、誰もが認めなきゃならんのだ。その中でそのものなりに努力すればいい。そして、その努力は何らかの形で認められたり、賞賛されるべきだとも思う。だが、それは学力を判定する場に持ち込むものじゃない」
「では、どこで?」
「親が家で褒めてやりゃいい。自分で自分を称えてみればいい」
これが教育の理想としてある。
その視点から、事件を起こした人物の状況、また、前半からの一高卒業生である誇り等の現実との乖離。

他人の物差しで自分を図ると不幸になる。
他人がその物差しで自分を図ってきたらどうするか。
その人物とはかかわらない。なぜなら、他人を変えることはできないから(厳密にはできるが)

しかし、これが進みすぎると次のようにいわれるが。
「衝突を恐れてそれぞれのコミュニティにひきこもり――ぬるま湯の中で適当に甘やかしあいながら、好みの「真実」を垂れ流す。」
「かみ合わないのにぶつからない「真実」の数々。誰も否定されないが故に誰も正しくない。」
「ここでは淘汰も起こらない。世界は「真実」で飽和する。それが世界を終わらせるのだ。緩やかに。」

リバース 湊かなえ

(1) 本の内容の紹介

深瀬和久は、事務機会社に勤めるしがないサラリーマン。今までの人生でも、取り立てて目立つこともなく、平凡を絵に描いたような男だ。趣味と呼べるようなことはそう多くはなく、敢えていうのであればコーヒーを飲むこと。そんな深瀬が、今、唯一落ち着ける場所がある。それは〈クローバー・コーヒー〉というコーヒー豆専門店だ。豆を売っている横で、実際にコーヒーを飲むことも出来る。深瀬は毎日のようにここに来ている。ある日、深瀬がいつも座る席に、見知らぬ女性が座っていた。彼女は、近所のパン屋で働く越智美穂子という女性だった。その後もしばしばここで会い、やがて二人は付き合うことになる。そろそろ関係を深めようと思っていた矢先、二人の関係に大きな亀裂が入ってしまう。美穂子に『深瀬和久は人殺しだ』という告発文が入った手紙が送りつけられたのだ。だれが、なんのために――。
深瀬はついに、自分の心に閉じ込めていた、ある出来事を美穂子に話し始める。全てを聞いた美穂子は、深瀬のもとを去ってしまう。そして同様の告発文が、ある出来事を共有していた大学時代のゼミ仲間にも送りつけられていたことが発覚する。”あの件”を誰かが蒸し返そうとしているのか。真相を探るべく、深瀬は動き出す。

(2) 本の内容に対する評価や感想・批評

送りつけた犯人に関しては、前半の方でよめる。
浅見に関しては、本当に生徒がやったってことなのだろうか。
特にミスリードもなく。
全般的にイケてるグループとイケテないグループという話が、今でいうスクールカーストというものだが、たしかに似た者同士で
集まるというのはある。学生時代の男はシャイというか、そんなに外交的ではなく、自分の世界を守りたいから。
不特定多数と交際するというより、クラスで席が近かったり、同じ部活だったり、趣味が同じだったり、するのとつるむようになる。
それはきっかけだけの話で。
学生時代に自分がどのグループかなんて考えたこともなかった。
自分が学校でどのグループに属していたかなんて、いかにも女性的という印象をうける。
まぁ、リア充は微妙だが、男の女性化が進んでいるというしな。

ネタバレとして、蕎麦アレルギーということであるが、アレルギーがあるなら周りの理解を求めないとね。